講演会


講演会の内容について

診療が終わった時間に集まっていただくので、まずビールでのどを潤し、食事を食べて空腹を満たして、気持ちがリラックスして落ち着いたところで講師の先生のお話しをお聞きする、という趣向としました。食卓を囲んで行う講演会(勉強会)は、講師の先生とすぐ親しくなり、質問もしやすいので、熱心に知識を吸収することが出来ます。所要時間は40分ないし一時間とし、あとの時間はフリーに、若手医師の様々な話題を提供する時間として時間の許す限り講師の先生も交えて話し合うこととしました。


●写真は、第十四回講演会、「心療内科」〜post-traumatic stress syndromeとパニック障害〜の時


今月の世田谷区若手医師の会
 10月19日(日曜日):"六本木アカデミーヒルズ"
 「高血圧患者のリスクマネイジメント〜Mega Studyを切る!〜」
 
  • 講師:国立循環器病センター高血圧腎臓部門部長
    河野雄平先生
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    第一回講演会

    「禁煙指導」

    講師:東京衛生病院
      健康教育部長 エドワード・藤本先生

    日時:平成6年11月15日 場所:馬事公苑 四川賓館

    第二回講演会

    「冠動脈の話し」

    講師:日本大学教授
    第二病理 桜井 勇先生

    日時:平成6年12月15日 場所:三軒茶屋 仙太

    第三回講演会

    「お役所における滅私奉公と調和」

    講師:厚生省
    検疫課長 宮本政於先生

    日時:平成7年2月27日 場所:三越迎賓館、駒沢 

    第四回講演会

    「サーモグラフィーによる腰部痛の知見」>

    講師:七里病院
    整形外科 本村喜代二先生

    日時:平成7年3月17日 場所:華空間、柿の木坂

    第五回講演会

    「肥満の病態と診断、VLCDの臨床的有用性」

    講師:HECサイエンスクリニック附属病院
    糖尿病・肥満治療研究所長 平尾紘一先生

    日時:平成7年4月19日 場所:馬事公苑 蟹屋徳兵衛

    第六回講演会

    「胸腔鏡下肺手術」

    講師:東京女子医科大学助教授
    呼吸器外科 大貫恭正先生

    日時:平成7年6月27日 場所:経堂 LA PALAZZINA

    第七回講演会

    「日本の海外援助と医療援助の実態について」

    講師:JAICA
    星 亘先生

    日時:平成7年7月25日 場所:駒場 こまばエミナース 

    第八回講演会

    「外来診療における、心臓病の診断と治療(特に不整脈について)‐専門施設に紹介するか、自分で治療するかの分かれ目‐」

    講師:心臓血管研究所
    副部長 澤田 準先生

    日時:平成7年9月29日 場所:下北沢 志満

    第九回講演会

    「医療システムと在宅医療、プライマリーケアとは」

    講師:日本プライマリーケア学会副会長
    小松医院院長 小松 真先生

    日時:平成7年11月17日 場所:経堂 LA PALAZZINA

    第十回講演会

    「たばこの効用について」

    講師:日本たばこ産業株式会社
    科学情報部長 大河喜彦先生

    講師:独協大学
    神経内科教授 片山宗一先生

    日時:平成7年12月18日 場所:三越迎賓館、駒沢 

    第十一回講演会

    「肝臓癌の超音波診断」

    講師:石綿クリニック
    院長 石綿宏敏先生

    日時:平成8年1月31日 場所:La Voglia Matta(下高井戸)

    第十二回講演会

    「高齢者の外科治療〜最近の外科治療の進歩は〜」

    講師:東邦大学
    外科第三講座助教授 長尾二郎先生

    日時:平成8年2月29日 場所:馬事公苑 四川賓館

    第十三回講演会

    「今、地域の臨床医は何を模索しているか〜在宅医療〜」

    講師:吉川内科小児科病院
    院長 吉川彰一先生

    日時:平成8年3月29日 場所:吉川内科小児科病院 7F会議室

    第十四回講演会

    「心療内科〜post-traumatic stress syndromeとパニック障害〜」

    講師:日比谷国際クリニック
    院長 鴨下一郎先生

    日時:平成8年4月22日 場所:三軒茶屋 "パリの庭"

    第十五回講演会

    「日常役立つ皮膚科診療〜アトピー性皮膚炎の治し方〜」

    講師:日本大学医学部皮膚科
    助教授 西山千秋先生

    日時:平成8年5月30日 場所:玉川 "やなぎや"

    第十六回講演会

    「放射線医学の最前線〜画像処理と情報伝達〜」

    講師:北里研究所病院放射線科
    部長 村田晃一郎先生

    日時:平成8年6月28日 場所:経堂 LA PALAZZINA

    第十七回講演会

    「臨床検査技術の進歩と問題点〜病院医療から在宅医療へ〜」

    講師:日本大学医学部
    助教授 熊坂一成先生

    日時:平成8年7月30日 場所:馬事公苑 蟹屋徳兵衛

    第十八回講演会

    「最新の外科手術と地域医療〜腹腔鏡下食道アカラジア手術その他〜」

    講師:国立東京第二病院外科
    医長 池内駿之先生

    日時:平成8年9月25日 場所:ホテルフエリア代官山

    第十九回講演会

    「精神科と地域医療〜精神科のドクターと仲良くなるためには〜」

    講師:多賀谷クリニック
    院長 多賀谷 譲先生

    日時:平成8年10月30日 場所:笹塚 だいち

    第二十回講演会

    「肥満、最近の話題と運動療法」

    講師:慶応大学スポーツ科学研究センター
       医師 勝川史憲先生

    日時:平成8年11月29日 場所:三越迎賓館「シルバーハウス」、駒沢

    第二十一回講演会

    「放射線領域における、ガン治療の最前線」

    講師:慶応大学医学部放射線科治療部
       講師 近藤 誠先生

    日時:平成9年2月7日 場所:こまばエミナース、駒場

    第二十二回講演会

    「21世紀の医療と政治を見つめて」

    講師:参議院議員
       講師 武見敬三先生

    日時:平成9年5月21日 場所:三越迎賓館「シルバーハウス」、駒沢

    第二十三回講演会

    「不整脈の治療は本当に必要か?」

    講師:東邦大学医学部付属大橋病院第三内科
       助教授 杉 薫先生

    日時:平成9年6月24日 場所:柿木坂「華空間」

    第二十四回講演会 ”三周年記念 グランド・サマー・フェスティバル”

    「世田谷地区における東邦大学病院の役割と病診連携」

    講師:東邦大学医学部付属大橋病院第三内科
       教授 酒井嘉浩先生

    日時:平成9年8月9日 場所:赤坂「キャピタル東急ホテル」

    第二十五回講演会

    「臓器移植法論議への疑問、〜<立法>にもたれかかる医〜」

    講師:三菱化学生命科学研究所 生命科学研究室
       室長 米本昌平先生

    日時:平成9年9月9日 場所:三軒茶屋キャロットタワー26階「スカイキャロット」

    第二十六回講演会

    「ERCP、最近の知見と治療」

    講師:東邦大学医学部付属大橋病院第三内科
       講師 五十嵐良典先生

    日時:平成9年11月21日 場所:柿木坂「華空間」

    第二十七回講演会

    「日本とイギリスの医療」

    第一部講師:日本臨床内科医会
       会長 神津康雄先生

    第二部講師:日本大学医学部医療管理学
       講師 寺崎 仁先生

    日時:平成10年2月23日 場所:こまばエミナース、駒場

    第二十八回講演会

    「実地医療に役立つ高脂血症の基礎知識」

    講師:昭和大学医学部第一内科
       講師 平野 勉先生

    日時:平成10年3月23日 場所:原宿「南国酒家」

    第二十九回講演会

    「AIDSの知識を外来診療に生かす」

    講師:国立国際医療センター
        岡 慎一先生

    日時:平成10年4月30日 場所:希望が丘団地「セミナーハウス・フォーリッジ」

    第三十回講演会

    「小児アレルギー疾患の臨床-特に喘息を中心として-」

    講師:吉川内科小児科病院
       副院長 吉川弘二先生

    日時:平成10年5月28日 場所:砧「よしとも本店」

    第三十一回講演会

    「逝く人へ-大学病院における緩和ケア-」

    講師:昭和大学医学部麻酔科緩和ケアチーム
       助手 高宮有介先生

    日時:平成10年7月22日 場所:こまばエミナース、駒場

    第三十二回講演会

    「クリニックにおけるインスリン治療」

    講師:HEC糖尿病・肥満治療研究所
       所長 平尾紘一先生

    日時:平成10年9月17日 場所:イタリア料理"ラパラツィーナ"、経堂

    第三十三回講演会

    「湿疹を究める-日常診療における皮膚疾患の見方-」

    講師:杏林大学 
       名誉教授 長島正治先生

    日時:平成10年10月22日 場所:中華料理"華家"、下北沢

    第三十四回講演会

    「脳外科医が痴呆を治す?」

    講師:東松山市立市民病院脳外科 
       部長 竹内東太郎先生

    日時:平成10年11月10日 場所:中華料理"四川賓館"、馬事公苑

    第三十五回講演会

    「日米の医療の質」

    講師:コルビーインターナショナル 
       社長 Mr.Mark A.Colby

    日時:平成11年1月20日 場所:こまばエミナース 3F「白鳥の間」、駒場

    第三十六回講演会

    「ザ・心臓血管研究所 (in Roppongi)」

    講師:心臓血管研究所付属病院  
       部長 澤田 準先生

    日時:平成11年3月24日 場所:三越迎賓館シルバーハウス「クイーンの間」、駒沢

    第三十七回講演会

    「神経泌尿器科とバイアグラ」

    講師:社会保険横浜中央病院 
       副院長 川添和久先生

    日時:平成11年4月23日 場所:ポパラーレ、下北沢

    第三十八回講演会

    「過換気症候群とパニック障害」

    講師:横浜労災病院心療内科
       副部長 江花昭一先生

    日時:平成11年6月22日 場所:ラボーリア・マッタ

    第三十九回講演会

    「慢性疲労症候群とSSRI」

    講師:日本大学医学部第一内科
       講師 村上正人先生

    日時:平成11年7月28日 場所:キャロットタワー、三軒茶屋

    第四十回講演会

    「新しい糖尿病の分類と診断基準」

    講師:国立病院東京医療センター
       内科 小山一先生

    日時:平成11年8月31日 場所:中国名菜「四川賓館」、馬事公苑

    第四十一回講演会

    「防災医療」

    講師:白髭橋病院
       院長 石原 哲先生

    日時:平成11年9月28日 場所:ラ・パラツィーナ、経堂

    第四十二回講演会

    「血圧を知る〜ABPMを体験する立場から〜」

    講師:東京女子医科大学附属第二病院
       内科講師 渡辺尚彦先生

    日時:平成11年10月18日 場所:パパアントニオ、代官山

    第四十三回講演会

    「臓器保護の観点から見た降圧」

    講師:昭和大学第三内科
       講師 下司映一先生

    日時:平成11年11月29日 場所:中国家庭料理「マダムチャン」、成城

    第四十四回講演会

    「イギリスの医療と日本の開業医」

    講師:Manchester Universuty
       Fifth grade Mark Ashton君

    日時:平成12年1月26日 場所:ラ・バラツィーナ、経堂

    第四十五回講演会

    「不眠治療の最前線」

    講師:日比谷国際クリニツク
       院長 三木 治先生

    日時:平成12年4月19日 場所:イタリア料理「La Voglia Matta(ラ・ボーリアマッタ)」、高井戸

    第四十六回講演会

    「消化管出血の臨床(一般医が知っておきたい基礎知識)」

    講師:国立大蔵病院 内科
       医長 北洞哲治先生

    日時:平成12年5月26日 場所:目黒雅叙園3F「シグナス」、下目黒

    第四十七回講演会

    「高脂血症のEBM(最新の知識を分かりやすく)」

    講師:昭和大学 第一内科
       助教授 平野 勉先生

    日時:平成12年6月26日 場所:フランス料理「ヒルサイドバンケット」、代官山(3464-5137)

    第四十八回講演会

    「各種SU剤の特徴と使い方について」

    講師:関東中央病院 第五内科
       部長 水野有三先生

    日時:平成12年8月30日 場所:エクセルホテル東急6F「フォレストルームD」、渋谷5457-0109

    第四十九回講演会

    「血が流れるということ(ASOに関連して)」

    講師:東邦大学大森病院 第一内科
       講師 中野 元先生

    日時:平成12年9月27日 場所:フランス料理「SYMPOSION(シンポジオン)」、代官山5458-6324

    第五十回講演会

    「鼻ポリープの臨床(アレルギー症状を含めて)」

    講師:東京共済病院 耳鼻咽喉科
       医長 真崎正美先生

    日時:平成13年2月14日 場所:フランス料理「SYMPOSION(シンポジオン)」、代官山5458-6324

    第五十一回講演会

    「スポーツにおける痛みとその治療」

    講師:昭和大学医学部 整形外科
       助手 相原正宣先生

    日時:平成13年3月23日 場所:イタリアレストラン「LA PALAZZINA」、経堂3427-8280

    第五十二回講演会

    「日医総研と日医のIT化を切る」

    講師:住友生命総合健診システム 
          岡田武夫先生

    日時:平成13年6月18日 場所:セルリアンタワー東急ホテル「タワーズサロン・ソレール39階」、渋谷3476-3000

    第五十三回講演会

    「パーキンソン病の心臓」

    講師:関東中央病院 神経内科
       部長 織茂智之先生

    日時:平成13年7月18日 場所:関東閣「パインオークの間」、高輪3443-7611

    第五十四回講演会

    「カナダの医学教育とHealthcare」

    講師:University of British Columbia Canada
       医学部2年生 Peter Pavlovich君

    日時:平成13年8月21日 場所:イタリアレストラン「LA PALAZZINA」、経堂3427-8280

    第五十五+α回講演会

    「フランスの保健医療の現状について」

    講師:国際保健医療観測センター外科 外傷整形外科
          重光哲明先生

    日時:平成13年10月22日 場所:イタリアレストラン「LA PALAZZINA」、経堂3427-8280

    第五十五回講演会

    「今、ゲノムが熱い(ゲノムの臨床応用)」

    講師:国立小児病院 小児薬理
       研究部長 辻本豪三先生

    日時:平成13年10月24日 場所:フランス料理「SYMPOSION(シンポジオン)」、代官山5458-6324

    第五十六回講演会

    「犯罪と精神医学」

    講師:東邦大学大橋病院 精神神経科
       助教授 高橋紳吾先生

    日時:平成13年12月11日 場所:フランス料理「NEPSIS」、渋谷桜丘町3780-7800

    第五十七回講演会

    「睡眠時無呼吸症候群」

    講師:日本大学板橋病院 第一内科
       助教授 赤柴恒人先生

    日時:平成14年2月14日 場所:SOHO'S CLUB、渋谷宇田川町3476-5824

    第六十二回講演会

    「頭痛診療のクオリティを高めるには」

    講師:日赤医療センター 神経内科 
        部長 武田克彦先生

    日時:平成15年9月日 場所:セルリアンタワー東急ホテル「タワーズサロン・ソレール39階」、渋谷3476-3000


    「脳外科医が痴呆を治す?」

  • 竹内先生が行っている治療は、目に見えて患者さんが改善していくという点では画期的な治療である。しかし、まだ一般社会がそれを受け入れる体制にない。そこで、先生は「ボケが手術で治った」という本を出版された。今回はそのエッセンスを興味深く拝聴した。
    【要旨】1.髄液循環は、血液循環と同様に大変重要なものである。この循環が疎外されたために「ボケ」が生じるのだ。髄液圧が一時的に高くなると、側脳室は拡大を呈し、髄液がうまく吸収されないために大脳深部に逆流して染み込むことが、その大きな原因であり、これを治療するためにシャント術が行われて大成功を収めた。2.しかし、実際にはシャント術が無効な例もあって、術前に有効か無効かが分かったら、もっと成功率は上がるはずだ。こうして、判断基準を示す科学的なFact(事実)を積み重ねて、先生はその独創的な研究成果を世に問うたのだ。3.その過程で、副次的に脳内ホルモンの素晴しい知見を広め、手術適応を決めるアルゴリズムを作成し、今では「竹内メソッド」といわれる脳外科治療を完成したのである。4.「今のところ、硬膜外の持続脳圧測定が必須であるために、痴呆患者に結構なストレスをかけているのは、不本意である」と考えて、鋭意もっとより良い方法を開発中であるという先生のエネルギーに感服する。5.竹内先生はまた、東松山市で「若手医師の会」を作って、その会長をしているとのこと。是非、我々とも共同して活動していただけたら有難いと結んだ。

    「日米の医療の質」

  • そろそろ、internationalということを意識して、最近「日米の医療業界の比較小説"Negotiating The Gray Maze"」を出版なさった、米国人起業家コルビー氏をお呼びした。氏の奥様は日本人で、日本語はぺらぺらなのだが、あえて口演を英語で、スライドは日本語で作っていただいて講演をお願いした。当日は、我々世田谷区若手医師の会の中でも、英語の得意な先生方が集まり、国際会議のような楽しい雰囲気になったことを大変嬉しく思った。
    【要旨】1.日本の医療には、品質・サービスを保証するシステムがないのに驚く。日本の医療を担保するのは、誰が責任者なのか?厚生省なのか、医師会なのか、学会なのか、私的病院の管理者なのか?大変不透明な世界だ。2.日本の医師は本当に患者を診る能力があるのか?というのも、アメリカには少なくとも医師免許を更新するシステムがあり、新しい知識を取り入れてその基準をクリア出来なければ医師としてのキャリアを続けて行くことが出来ないようになっているが、日本では医師免許は一生ものになっていて、能力が落ちても医師を続けて行けるからだ。3.accreditation(認定)という考え方がある。欧米では当り前のことで、第三者機関がそれぞれの病院や検査センターなどの機能の質をチェックし、認定証を発行する。監査機関はボランティアで、とくに先入観なしに公正に審査をする。これによって医療の質は確保されたとして社会もそれを受け入れるのだ。今後は、日本にもこうしたチェック機構を作らなければ、国際社会での地位は医療の面では危ういだろう。

    「ザ・心臓血管研究所 (in Roppongi)」

  • 心臓血管研究所は都内でも有数の循環器病を専門に扱う医療機関である。その全貌を、事務局長にも来ていただいて詳細にご説明いただいた。
    【要旨】1.この研究所は、第一生命が社会還元のために巨額の資金を寄付されて財団法人として昭和34年5月に発足した。昭和36年3月に付属病院が開設され、昭和61年には心臓外科が診療を開始して、その名のとおり心血管系の全ての病気に対応できる陣容をそろえた。2.職員は総勢286名。医師は常勤・非常勤医を合わせて54名、看護婦78名、臨床検査技師39名、事務職員31名、その他(平成10年3月現在)。3.現在、日本内科学会、日本循環器学会、日本胸部外科学会、日本超音波医学会の研修指定病院であり、平成9年度トレッドミル4793件、心臓超音波検査5346件、心臓手術として弁置換・形成術455例、先天性心疾患82例など、その経験は着実に実績となっている。4.世田谷区若手医師の会の先生方とは、連携関係を強化していきたく、その内に実質的な協議(どのように差別化していくか)をしたいと思っている。特に、病院の未熟な勤務医の不用意な言動のために、かかりつけ医としての患者・医師関係が壊されることが多いが、そこを注意していきたい、と語る澤田先生に、病院側の誠意を感じた。

    「神経泌尿器科とバイアグラ」

  • バイアグラが発売されて、およそ病気とは程遠い男共が診療所を訪れる機会が増えて我々を戸惑わせる。やはり、専門家が扱って初めて患者さんに恩恵をもたらすことができるのだということを確認するために川添先生にお教えいただいた。
    【要旨】1.雨の中を、大勢の会員が下北沢のイタリア料理店を埋めた。その熱気にあてられてか、スライド一枚が燃え出すというハプニングが起きた。2.いろいろな方法があるが、一円切手法というのが一般的にはやられる。大隈重信公が印刷してある切手だが、その糊面をペニス側にして端と端だけを糊付けし、ぐるりとペニスに巻き付ける。翌日REM期を過ごした患者がelectすれば切手は切れるわけで、バイアグラの適応はない。3.私の友人の整形外科医によれば、とても効果があるらしい。しかし、勃起が持続してしまってネクローゼになる危険性もあり、そうした時には、とりあえず18ゲージの針を刺してペニスに穴を開けて瀉血するのが良い。

    「過換気症候群とパニック障害」

  • 最近、パニック障害が注目されている。また、治療薬としてのSSRI(selective serotonine re-uptake inhibiter)が使えるようになって、非専門家でも日常の外来診療で心療内科的なアプローチが必要になると考えられる。ここらへんのノウハウを、臨床経験豊かな江花先生に伺った。
    【要旨】1.DSM-「によれば、パニック発作とは:強い恐怖または不快を感じるはっきりと他と区別できる期間があり、以下の4つ以上が突然生じ、10分以内に頂点に達し、後は次第におさまる、もののこと。1)動悸、心悸亢進、心拍数増加2)発汗3)身震い、ふるえ4)息切れ、息苦しさ5)窒息感6)胸痛、 胸部不快感7)吐き気、腹部の不快感8)めまい感、ふらつき感、頭が軽くなる感じ、気が遠くなる感じ9)現実感の消失、離人症10)コントロールを失うこと、気が狂うことへの恐怖11)死への恐怖12)異常感覚(しびれ感、うずき感)13)冷感、熱感。2.こうした発作は女性では10人に一人は経験しているものだ。ごくありふれた疾患である、という意識をプライマリ・ケア医はもたなければならない。3.脳機能としては、青斑核(ノルアドレナリン系)の過剰興奮と縫線核(セロトニン系)の連動、大脳辺縁系の興奮(GABA系)などが考えられている。4.パニックを誘発する物質が知られている。乳酸、CO2、カフェイン、ヨヒンビン、コカイン、コレチストキニンなど。5.過換気症候群は、基本的にはパニック障害と重なったentityだ。呼吸器系に生じた心身症が過換気症候群で、消化器系に生じたのが過敏性腸症候群、循環器系に生じたのが心臓神経症と理解してよい。そして、その中心にパニック障害(PD)があるといってよい。6.治療はまず、病気を良く説明するところから始まる。薬物療法は最近良く効く組み合わせが分かってきて(例えば、ソラナックス、メイラックスとトフラニールまたはアナフラニール)、発作のときにはワイパックス(0.5-1mg)を噛んで服用させる頓用とする。発作は時間限定的なので、「やりすごす」心構えが大切だ。また、誘発するようなカフェイン、アルコールなどを止めさせ、精神療法、認知行動療法、脱感作的なストレスリリーフを教えていく事などが重要になる。7.あとは、何かあったら労災病院に電話してください。日本で最も心身症の患者さんを扱っている病院です。東邦の大森病院を抜いているとのこと。


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